忘れ得ぬ人忘れ得ぬこと
(2020年5月19日)
最近は、すっかり川口松太郎に夢中になっています。
『人情馬鹿物語』は傑作で、自らを顧みず、相手に尽くした実在の人々の心意気が描かれています。
ここに描かれる人物に共通するのは、「諦め」の心。
諦めとは、仏教の用語では、「明らかにする」に通ずるとのことで、この小説に描かれる主人公達が、愛するが故に、身を引く姿などは、ギブアップするという意味ではなく、明らかにするという意味に近いのだと気付かされました。
最近読み始めた『忘れ得ぬ人忘れ得ぬこと』。
古本で購入したのですが、表紙をみて、びっくり!
十数年間に、母の蔵書を整理した時に処分した本だったのです。読み進めていって納得。
母が大好きだった久保田万太郎に繋がりました。どうして、母が久保田万太郎を好きだったのか、今、改めて分かります。
本をきっかけに、母と巡り合う事が出来たようで、毎日母とうなづき合いながらページをめくっているようです。
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